2010年2月は、NY Cooギャラリーでの初個展となる栃原敏子展を2月3日〜20日に開催致します。
栃原は、1946年中国遼寧県生まれ、大阪樟蔭女子大学国文学科、武蔵野美術大学を卒業後、多くのコンテストや公募展に出品し、受賞歴多数。本年には兵庫県芸術文化協会より年に一度一人の女性作家に贈られる名誉ある「赤艸社賞」(せきそうしゃしょう)受賞。当ニューヨークでもSOHOアートフェスティバルにおいてFirst Look Award を受賞しています。
また神戸、東京をはじめ日本各地の美術館、ギャラリーで多くの個展を開催。ニューヨークでは1997年の個展以降も度々発表し、2008年にはパリでも個展を開催しています。フランスでのアートフェア、ARTeNIM には2007年からは毎年選抜出品し、2008年作品がそのフェアのパンフレットや公式入場券に採用されました。
加えて「100メートルに描く」(1996)、「六甲プロジェクト」(2003)、そして昨年にはあさご芸術の森美術館で行なわれたフランス・バルビゾンの作家交流展「国際平面造形展」においてフランスの作家達と共に公開制作を実施するなどパブリックイベントにも積極的に参加し、社会との関わりの中での表現を大切にしています。
また全長480mというビッグな展覧会「ポウ展」を長年に亘り主宰するなど、アーティストの育成にも力を入れている実力ある現代美術アーティストです。
朝霧の消えゆく一瞬の冷たさを、
枝が落ちる音に響く静寂さを、
そしてそこに行きかう小動物たちの息吹を、
そのいとしさを、栃原敏子は力強い色彩で表現する。
栃原は、訪れた人にここはブータンか、と言われるほど素朴に美しい山の中にアトリエを構え、
朝日や夕焼けの光に、
そしてそこに生きる動植物たちの生に感動しながら、
そこに象徴される「愛」や「平和」を、
それは文字に現れるような概念となる前に、
それぞれの営み一瞬一瞬がそのまま続くことだと感じ、
それを伝えたいと絵筆をとっている。
内に秘めた強さ、やさしさ、控えめな大胆さは決して媚びず、
栃原の世界を広げる。
自然環境、経済環境ともに困難さの続く21世紀も10年目を迎える新しい年、
心からの愛と平和へのいとしさを表現する栃原敏子の世界にどうぞお越し下さい。
今回は近作を中心にミクストメディア20点を展観いたします。
NY Coo Gallery
竹内しさの