渡辺 啓子 個展
”For you are with me”

旧約聖書「詩編」をテーマに現代宗教画(絵画 / 書 )

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2007 年 10月 3日 (水) 〜20日 (土)
レセプション:10月5日(金)、午後5時〜7時半

開画廊時間 :火〜土 12:00-6:00PM(閉館日 日曜日・月曜日)

渡辺 啓子 個展
"For you are with me"

10月の展覧会は、渡辺啓子の個展です。
 東京に育った渡辺は、イラストレーターとして都会の生活の一こまを描きながら、時には旅をし、新鮮な風を求め新しい世界を探してきました。1999年にニューヨークへと移住し、それ以来、マンハッタンの風景、様々な人達のエネルギーを題材に、精力的に創作活動を続けてきました。その間、多くの偶然の出会いが生活を変化させ、今はニュージャージーに住んでいる渡辺ですが、いつの頃からか日曜日にキリスト教会で聞く聖書の言葉を絵にしたいと思うようになっていました。
渡辺啓子にとり、今回が初めてとなる聖書の世界を描いた作品展ですが、そこに潜む情熱と暖かさは、宗教という枠を超えて広がり、見る者すべての心に訴えかけてきます。

NY Coo Gallery

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聖書に「人はパンだけでは生きて行けない」という言葉があります。神様は、「パン」の他に必要なものは、私たちがお互いに愛し合う心であると教えていると思います。現代社会で健康な心と身体を維持していくうえで、絵、歌、文学などにより心を豊かにしてゆくことの大切さを、いま実感しています。

絵を描くということは、とてもプライベートなことでもあり、作家が、表現者として自らの心の中を社会という外界の世界に見せてゆくことだと思います。今回の個展では「詩篇」をテーマに描いています。作品を通して私たちを包む神の栄光と祝福を感じていただけたら幸いです。

渡辺 啓子

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 渡辺啓子さんは今後の自分の芸術の世界を築くのにその基礎と方向性として、巾と奥行きの在る何かを賢明にも見出したようです。うらやましい限りです。それ が何なのか? そして、それがどのように発展するのか? 今回の個展にその出発点とその発展の片鱗が見える筈です。非常に興味をそそります。
 自分は今迄不勉強で、オートバイで風を切り乗り回すのが好きだった、と云う彼女の過去の絵は、ある観念化されたロマンティシズムで塗り覆われていた。オートバイを乗り回すロマンと、過去の絵のテーマ、夕焼け空の色が反映する街、そこに佇む人物像のロマンティックな様式化は、合い重なる感情表出だったろう。しかし、そこでは芸術的探求、自分の芸術的領域を広げ確立しようとする試みがなされたのだろうか。
一人の芸術家が前に進む時、過去の経験で無駄であったと云えるものは何も無い、全ての経験がその前進の為の養分となるだろう。言い換えれば,無駄をしなければ本物を見つけられないし,前にも進めない。
芸術表現する事が彼女の人生に何なのか、表現されたものは見る人にとって何なのか、にある回答を得た喜びが制作の動因となった個展、芸術家の証(あかし)。

中里 斉(現代アーティスト、ペンシルバニア大学元教授)

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詩篇は旧約聖書の真ん中に位置する、150編からなる古の人々の心の叫び。苦難の中での嘆きであり、救いへの感謝です。歴史の中で多くの人々に愛され続け、二千数百年の時間と、何万キロの空間を超えて、今を生きる私たちの心にも訴えかけます。それは神に向かう祈りであり、また賛美であり、告白であり、それが人々に届く時には、神と共にある歩みの証(あかし)となるのです。

錦織 学(ニュージャージー日本語教会 牧師)

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渡辺 啓子 フロフィール

多摩美術大学(絵画科油画専攻・版画コース)卒業
(株)日本デザインセンター・イラスト部勤務後 アトリエ ZA-O-ZOO 設立
1989年 株式会社ケイズ設立、広告、出版のイラストレーションを中心に活躍 2004年 NYCoo Gallery設立、ギャラリー作家、アートディレクターとしてニューヨークを中心に活動中

 

 

受賞:
2001年 ワシントンAward  (S & R Foundation)
1994年 オペルデザインコンテスト’94 THE 30 BEST

日本イラストレーション展 / 日本版画協会展(東京都美術館)/
版画大賞展・M氏賞(東京セントラル・大阪ナビオギャラリー)等