今年で第５回目となったNY Coo Gallery公募展は、恒例のテーマである「ひまわり」「健康」の他に「地球」という新たなテーマが加わり、世界各国から70人のアーティストによる156点の作品の応募があった。

今年はニューヨークの現代アートシーンで活躍する２人のアーティストが審査員に加わった。一人は新しいコンセプト作りに挑戦し ブルックリンのDumbo Festival で毎年注目されている作家のアネットルーシン、もう一人は高度のテクニックと感性で様々な手法の作品を作りながら、School of Visual Artsでドローイングの教鞭をとるMark Bischel 。彼らと共に緊張感に満ちた審査が４時間に渡って行われた。多くの力作を眺めながら、「選ばれない作品の大切さも決して忘れてはならない」という、この公募展の創設者であり審査委員長でもあった故中里斉の言葉を思いださずにはいられなかった。

イベリカ大賞を受賞した望月厚介は、個性的な表現方法と高度なテクニックを持ち、日本国内はもちろん、韓国、カナダ、ブルガリア、ハンガリー等世界各地で行われる国際版画展覧会や、博覧会等に積極的に出品している。今回大賞を受賞した「ビートライン」「熔融池」の黒く塗られた画面は、日本の伝統工芸である洗練された漆の作品をも彷彿とさせられる。彼の作品は絵画を越えた領域の芸術作品として高い評価を受けている。

NY Coo 賞のFrank Barrett は、Illinois 州立大学で舞台芸術を学んだ後NYを中心として活躍する作家。砂等を用いたテンプラ画法で描かれた“Sunflower-Orange Sun” と”Helianthus Annuns-Sunflowers” は心地よい色彩感覚で軽快に描かれている。シンプルさの中に作家の心の素直さがのびのびと表現されており、デジタル化されデータ化されていくめまぐるしい 社会の中に忘れかけていたものを取り戻すような安らぎを感じる。

今回の展覧会は22人の入選者の作品の他に、審査員の方々の作品も展示されます。レセプション時には受賞セレモニーも行われますのでぜひお越しください。

全日本空輸株式会社様のご協力に心から感謝します。