挨拶:小倉千恵
あけましておめでとうございます。
皆さまは新年をどのように迎えられましたか?私は友人の家のパーティーに行って来ました。
初対面の人達も多かったのですが、自己紹介をする前から「今夜は楽しもうね」と瞳が語っているような、
パーティー好きの面々が多かったため、普段よりは羽目を外しました。
そしてふさけながら踊っている最中にふと、「これじゃ子供の頃からしていることと大して変わらないな」と思いました。
遊んでいる場所が日本からアメリカに変わり、友人達の国籍や文化、話す言語も変わったけれど、
自分が楽しいと感じる時というのはいつも友達と遊んでいる時だ、となんだか普通のことを改めて思ったわけです。
それではずっと故郷にいれば良かったのかというと、そうではないのだとも思いました。
例えば昨日のパーティーのホストは以前はカリフォルニアで教師をしていました。彼にとって教師は好きな仕事であり、
同僚や友人達にも恵まれていたそうですが、ある日パウロ・コエーリョという作家の書いた「アルケミスト」という
小説を本屋で何の気なしに手に取ったことにより、暮らしが一変したそうです。
彼は以前から胸に秘めていた音楽家になりたいという夢、それが途方も無く、馬鹿げていると思われたため、
回りの誰にも言ったことがなかったそうですが、その夢を叶えるために仕事を辞めてニューヨークにやって来ました。
現在彼は作曲家として安定した収入を得、演奏者としては時々コンサートを行い、ニューヨークで出会った女性と結婚しています。
この、「アルケミスト」という本は私も読んだことがあるのですが、上記の彼の他にもこの本を読んだために
暮らし方を変えた知人もいて、時に危険な本だと感じることもあります。
それでも私も自分の心が欲する道を進み、その途中で作曲家の彼と出会い、そして彼の家のパーティーに集まった
人々と出会いました。
ニューヨーククラブの皆さまも色々な思いを抱えて異国の地に渡ったり、またはJ会員やEU会員として他の場所にいながらニューヨークと関わっていると思います。今年1年が皆さまにとって良い年になりますように。そしてお会い出来る機会があれば一緒に楽しみましょう。 |