「ホイットニー・ビエンナーレの第81回目は、米国で最も長く開催されている現代アートの 祭典であり、今日最も差し迫った問題の多くに取り組む71組のアーティストとコレクティヴが参加する。このビエンナーレは、参加アーティストのリギア・ルイスが表現したように、「不協和音を奏でるコーラス」の中にいるようなものであり、刺激的でありながら親密な体験である。」(ホイットニー美術館ウェブサイトから引用)
一年おきに行われるホイットニービエンナーレが始まると待ちに待った感覚で美術館に向かう。今年もニューヨーククラブのメンバーと出かけてみた。今年のサブタイトルは EVEN BETTER THAN THE REAL THING「本物よりもさらに良いもの」である。AIが当たり前に使われる時代になって何が本物が見えなくなってきている。今回は心と身体に訴えかける作品が多かった。特に私は Ektor Garcia の繊細なガラスを使った作品に心を打たれた。彼はアメリカ生まれだが、メキシコと行き来しながら育ち、旅がアーティストの構想や作品制作の重要な一部となっているらしい。ビエンナーレは一回だけでは見逃す展示が多いので、会期中にまた訪れてみたいと思う。
永野みき