3月28日の総会後、アーティスト、松山智一氏によるセミナーを開催致しました。
案内にも書きましたが、松山氏は、サンフランシスコにある、Wendi Norris Galleryで個展開催中(3/12-5/2)で
非常に忙しい間を抜って来てくれました。近年の活躍は驚くべきものがあり、2013年にJapan Societyで開催された "Edo Pop"展以降、ドバイ、ルクセンブルク、メルボルン、香港と世界各地で次々と個展を開催し、成功させています。
「松山氏のこの活躍の秘訣は何か?」。この辺りをアーティストである参加者の皆さんの参考になればと筆者は考えておりました。
セミナーの中で、松山氏が強調していたのは、自身がアート作品を「目的」ではなく、「手段」として考えていることということです。
現代のアートは、展示する場所や、作品を観る人を伴うことで完結するという側面がありますので、非常に有効な考えだと思います。
この「手段」としてのアートを実現するための松山氏の手法、具体的に言えば、ポートフォリオの内容や、作品を言葉で説明することなど、分かっていてもなかなか実践できないことについて、自身を例にとり明確に提示頂き、誰もがその重要性を再認識したのではないでしょうか。
もう一点、参加者の皆さんにどうしても聞いて欲しかっのでセミナーの最後に筆者の質問にお答え頂きましたが、松山氏がアートヒストリーを「ルール」として捉えているといるということです。「作品にルールへの言及がなければ、アートマーケットでは相手にされない」と。この意見には賛否両論ありましょうが、ここまで冷徹なまでの松山氏の分析には、頭が下がります。
松山氏は作品において「東西の融合」という非常にシンプルなテーマを掲げていますが、様々な角度からの上記の「ルール」への言及のためか、近年画面が増々複雑化し、数年前の作品とは随分と変化していると思います。この辺りも機会があれば、是非皆様にご覧頂きたいと思います。(文責:小林) |