まだまだパンデミックの終わりの見えない中、何時迄も家には閉じ籠っていられないと、少ない人数でアートツアーを決行することにしました。
メットに着くとまず入り口前には長い行列。以前よりも賑やかになっており、ニューヨークが少しづつ活気を取り戻してきているようで、とてもワクワクします。
今回の最大のお目当ては、昨年秋から開催中の「In Praise of Painting: Dutch Masterpieces at The Met」。本展はメットのコレクションのみで構成されながらも、レンブラント、フェルメールなどによる多くの有名絵画が含まれており、メットの収集力に驚かされてしまいます。さらに素晴らしいのは、その解説です。17世紀は、オランダがスペインから独立し、絵画も新しい題材を扱うようになるのですが、その歴史を実例となる豊富な作品とともに上手く説明しています。
次に、こちらもメットのコレクションによる現代写真展、「Picture Revisited」です。いわゆるアート用語で「アプリシエーション」の作品を扱った展覧会ですが、コレクションのみながらも豊富な事例は前展覧会と同様です。シンディ・シャーマン、バーバラ・クルーガーなどメディアを批判的に捉えた作品群は現代にも通じる点があり、メットのキュレーション奥深さを感じさせます。
素晴らしいアート作品を観たあとは、恒例のお食事会。未だ店内飲食の許されていない零下のニューヨークシティでは行く場所も限られるてなもんですが、幸いなことにしっかりとした外壁付きの屋外スペースを持つジャパニーズレストランを発見し、無事ワインにありつく事が出来ました。それでも寒かったけど。
(文:小林健) |